PORSCHE GATE 代表の髙橋広規です。
最近、ポルシェをこれから買おうという方からのご相談で、「どのモデルがリセールで得ですか」という聞かれ方をすることが増えてきました。資産として見たときに下がりにくい車種はどれか、という視点です。気持ちはよくわかります。大きな買い物ですから、損をしたくないのは当然です。
ただ、私自身はこの質問にまっすぐ答えることができません。今日は、なぜ私が「リセールだけで選ぶ」ことをお勧めしないのか、代表としての考えをお話しします。
「どれが一番いいですか」への私の答え
お店でよくいただく質問に、「結局、どのポルシェが一番いいんですか」というものがあります。私の答えはいつも同じで、「どれも良いです。それぞれ違っていて、それぞれに良さがあります」というものです。
はぐらかしているように聞こえるかもしれませんが、本当にそう思っています。911にも世代ごとの性格がありますし、ボクスターやケイマンには911とは違う軽さや身軽さがあります。どれかが正解で、どれかが不正解ということはありません。リセールや希少価値だけを基準にすると、この「それぞれの良さ」を比べる前に、一台に絞り込んでしまうことになります。
リセールだけで選ぶと、何を見失うか
これは断定できる話ではなく、あくまで私個人の考えですが、最新のポルシェは乗りやすく、速く、快適です。ただ、それと「楽しい」は、必ずしも同じではないと感じています。
希少価値やリセールのよさで知られるGTモデルやRS系のモデルを、最初の一台として選ぶことには、私は慎重であるべきだと思っています。希少性の高いモデルほど、「手放すときにどうなるか」が先に気になってしまい、「今、自分がどう楽しむか」を後回しにしてしまうことがあるからです。せっかく憧れて手に入れた車なのに、傷をつけたくない、距離を乗りたくない、という気持ちが先に立ってしまったら、本来の楽しみ方とは少し違う付き合い方になってしまうのではないかと思うのです。
最初の一台には、どちらかというとこちらを
もし私が「最初の911」を選ぶ方にお話しするなら、現行系であれば標準のカレラ、空冷であれば964あたりが、入口として良いのではないかと考えています。これも断定ではなく、あくまで私の個人的な意見です。
標準グレードだからつまらない、ということはありません。むしろ、特別なモデルを身構えて乗るよりも、気負わずに距離を乗り、気負わずに使い込むことができる。その積み重ねの中で、自分が本当に好きなポルシェの個性が見えてくると思っています。
古いほど遅い、ではないということ
もうひとつ、古いポルシェについて誤解されやすいことがあります。古いモデルほど遅くて、おっとりした乗り味だと思われがちですが、私が乗ってきた印象はむしろ逆です。年代を遡るほど、操作に対する車の反応がダイレクトになり、ゴーカートに近い感覚に近づいていきます。
公道で乗る分には、絶対的な速さよりも車の軽さが効いてきます。低い速度や中くらいの速度でも、しっかりアクセルを踏んで、車の反応を楽しむことができる。これは数字やカタログだけでは伝わらない部分で、実際に乗ってみないとわからないことだと思っています。
自分が楽しいと思う車を選んでほしい
資産として見たときの価値を気にする気持ちを否定するつもりはありません。ただ、せっかくポルシェという車を選ぶのであれば、最終的には「自分が楽しいと思える一台」を基準にしてほしいというのが、私の正直な考えです。リセールの良し悪しについて、私が相場や将来の価格を予測したり断定することはできませんが、「どの車が自分にとって楽しいか」は、実際に乗ってみることで、きっと見えてくると思います。
見学はいつでも無料で受け付けています。資産としての価値よりも先に、まずはご自身の目と手で、それぞれのポルシェの違いを確かめにいらしてください。
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PORSCHE GATE 代表 髙橋 広規
