「ナローポルシェとは何ですか」と聞かれることがあります。今回は、911の修復を通じて私自身がこの言葉と向き合った経験から、お話ししたいと思います。
ナローポルシェとは何か
ナローポルシェとは、空冷911シリーズのうち、フェンダーが細く(ナロー)作られていた時代のモデルを指す呼び方だと、私は理解しています。その後のモデルでは、バンパーやフェンダーが大きくなり、見た目の印象が変わっていきました。
ただ、正確な年式の境目や、当時の生産数といった数字については、私はここで断定しません。自信のない数字を書いて誤った情報を広げるよりも、自分が実際に経験したことだけをお伝えしたいと思っています。
私がナローフェンダーに戻した理由
私が最初に手に入れた911 2.7は、ネットオークションで見つけた赤い車でした。届いた車は写真よりも状態が悪く、それを関西の空冷専門店に持ち込んで、本格的な修理をお願いすることになりました。
分解していく中でわかったのは、この車にはカレラ用の大きなリアフェンダーが取り付けられていたことでした。元々の姿は、もっと細いナローフェンダーだったのです。私は、この車が本来持っていた姿に戻したいと思い、外装の剥離からオールペイント、前後バンパーの純正化、そしてナローフェンダーへの戻し作業までお願いしました。
元色がスピードイエローだったことがわかったときも、同じように「この車が本来持っていた姿」を大切にしたいという気持ちからでした。時間もお金もかかりましたが、少しずつ元の姿に近づいていく過程を見るのが、何より楽しい時間でした。
数字では語れない、乗ってわかる違い
ナローの魅力は、見た目だけではありません。私自身、930や964など複数の年代のポルシェに乗ってきましたが、古いほど遅く、おっとりした乗り味になるわけではないと感じています。むしろ年代を遡るほど、ハンドルやアクセルへの反応がダイレクトになり、ゴーカートに近い感覚に近づいていく印象があります。
公道で楽しむうえでは、車の軽さがとても大事な要素だと私は考えています。低い速度や中くらいの速度でも、アクセルを踏み込む楽しさを感じられる。これは、本や動画、ミニカーを見ているだけではわからないことで、実際に触れて、乗って、走らせてみて初めて気づくことだと思います。
空冷を押し付けたくない
正直に言うと、最終的には多くの方に空冷に乗っていただきたいと思っています。ただ、いきなり空冷から入るのはハードルが高いと感じる方も多いはずです。水冷のモデルや、右ハンドル、ATなど、入りやすい車から少しずつポルシェの世界に触れていただくことも、同じように大切だと考えています。ナローポルシェも、その入口の一つになれたら嬉しいです。
見学は無料です
ナローポルシェという言葉の背景には、一台の車を元の姿に戻そうとした、地味で時間のかかる作業の記憶があります。言葉や数字だけでは伝わらない部分を、できれば実際に見て、触れて感じていただきたいと思っています。
PORSCHE GATEの見学はいつでも無料です。ご興味を持っていただけましたら、まずは一度、見学にお越しください。
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PORSCHE GATE 代表 髙橋 広規

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